2025年7月、福岡市のGlobal Business Support（GBS）チームは、福岡市拠点のスタートアップ、Chiral株式会社とともに、タイのバンコクで開催された「日ASEANスタートアップ・ビジネスマッチングフェア2025」に参加しました。
本イベントは、タイのクルンシィ銀行が主催する「New Industries Connecting Japan–ASEAN」プログラムの一環として実施され、日本とASEANのスタートアップ・大手企業間の連携を強化することを目的に、イノベーション、ESG、越境型パートナーシップといったテーマが掲げられました。
日ASEANイノベーション、いま交差点に立つ
会場には、日本とASEAN諸国から政府関係者、企業幹部、スタートアップが多数参加。オートメーション、ヘルステック、サステナブル・ロジスティクス、AIソリューションといった分野に注目が集まりました。
福岡市の代表団は、日本のイノベーションエコシステムとASEANの新興市場との架け橋として、都市の機能と支援体制について発信しました。
日ASEANイノベー福岡市の存在感 ─ ディープテックとスタートアップの玄関口ション、いま交差点に立つ
福岡市から参加したスタートアップ、Chiral株式会社は、共同創業者の梅田耕司氏が登壇。分子レベルのデータ解析技術を活かし、ライフサイエンス、精密農業、先端材料などの領域で実用的なソリューションを展開する同社には、ASEANの複数企業から高い関心が寄せられました。
またGBSは、福岡市が海外スタートアップが起業するのに最適な都市であることを紹介。スタートアップビザや実証実験支援、充実したコワーキングスペース、ネットワーキングの機会など、包括的な支援策が整っている点を強調しました。
パネル登壇：「Entering Japan – 日本市場への入口とインセンティブ」
イベント内の注目セッション「Entering Japan: Unlocking Opportunities & Incentives」では、冒頭に北九州市長が日本のイノベーション動向や市場の可能性について講演を行い、続いて福岡市を代表してGBSの小野氏が登壇しました。
小野氏はASEANの起業家・企業幹部に向けた“逆ピッチ”形式で、福岡市の魅力を紹介。特に以下の3点にフォーカスしました。
・ 福岡市で盛り上がる産業分野（AI、ロボティクス、ヘルステック、都市型モビリティなど）
・ スタートアップ向け支援制度（スタートアップビザ、PoC補助制度、投資家や自治体ネットワークとの接続）
・ 次のステップ（福岡市進出を検討する起業家への個別相談受付）
さらに、小野氏は今年10月に開催予定の「RamenTech 2025」についても言及。スタートアップとカルチャーが融合する福岡市独自のイベントとして、現地の参加者から強い関心が寄せられました。
越境連携の「次の一手」へ
今回のマッチングフェアでは、以下のような収穫がありました。
・ 福岡市への視察団受け入れ計画（スタートアップ発掘やPoCの事前検討）
・ クルンシィ銀行およびGBSによる1on1マッチング支援
・ ヘルステックやディープテック領域での共同プロジェクト検討
福岡市にとって、このイベントは単なるPRの場ではなく、実際の連携を生む“起点”となりました。
日本の玄関口として──福岡市が示した可能性
福岡市は今回のフェアを通じて、日本国内でも有数の国際イノベーション拠点としての地位をさらに確かなものにしました。
行政による明確なメッセージ、Chiralのようなスタートアップの存在、そして現場で生まれる具体的な関係性──それぞれが相乗効果を生み、今後の日ASEAN連携の中心に福岡市が立つ未来が現実味を帯びてきました。
この秋にはRamenTech 2025も控えており、今後の展開から目が離せません。
その挑戦を、もっと遠くへ。
Global Business Supportでは、海外展開を視野に入れた福岡市のスタートアップからのご相談を随時受け付けています。海外経験のある相談員によるアドバイスのほか、現地の支援機関とのネットワークも活用し、皆さんのチャレンジを後押しします。
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